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世界観
本編の補足資料です。この用語なんだっけ？みたいなときに読むといいかも。
創世の歴史
- 神さまはうたをうたい天と地をつくった
- 複数の神・天使・悪魔が人間の暮らしに憧れて野に下り人間と交わる
- 歌姫の始祖「キリエ」が世界中に神殿を建立し、五人の妹たちをその守りにつかせた
現在
- 神の血を引く「歌姫」、天使の血を引く「御使」、悪魔の血を引く「魔人」、「人間」の４つの種族が共存している
- 自然物に宿る地霊は天地に溶け合い一つの存在になり消滅したが、歌姫の自然に呼びかける歌声で目覚めることがまれにある
- 歌姫と歌姫の間に生まれる子どもは必ず歌姫になる。両親が違う種族の場合、どちらか片方の種族に生まれるが、それぞれに遺伝の優勢劣勢はない
歌姫について
特徴：金色の瞳をしている、神のうたをうたえる(能力の個人差なし)、どこにいても同族の歌声を感知する、楽譜を読める、オリジナルの楽譜を書ける(まれ)
- 神のうたでできることは、世界の理、自然に存在するもの、また人間に影響を与えること。ただし御使のみ効果はない
- 歌姫は生を受けた際に「産歌」、死ぬときに「死歌」をうたう。意識的にうたうわけではなく、身体から放出されるような歌声であり、何かに影響を及ぼすことはない。どちらも歌姫にしか聞こえない
- 歌姫は楽譜がなければ神のうたをうたうことができない
- 楽譜は紙媒体でなくとも、何にでも書ける
- 楽譜は不可侵の存在であり、どんな手段を使っても破壊することはできない
- 歌姫は楽譜を見ただけではそれの効果を把握できない
- 歌姫の生後→産歌を歌史管理官(聞き手)が知覚→神殿に迎えられ洗礼の儀式を受け、歌声の記録を採取される→資料は歌史管理庫で保管→基本的に９歳から１９歳まで神官として神殿に仕える
- １９歳を過ぎた後、神官を辞職する選択もできるが、神殿の許可なく外界でうたをうたわないという誓約が必須。ただし聖歌は大きな効果を持たないことから、いつでもどこでもうたうことが認められている。また、外界の人間や御使と結婚して神殿を去る歌姫も少なくない。魔人を伴侶とする場合、確実に神官を辞することになる(理由は後述)
- 歌姫の死後、彼らの書いた楽譜は「遺産」と呼ばれ、各大神殿に保管される。アリッサの書いた楽譜は「アリッサの遺産」
- 楽譜を書ける者は総じて「書き手」と呼ばれる
- 「聞き手」は外界の歌声をいち早く察知し、その正確な居場所と歌声の主、楽譜の種類まで即座に聞き分ける能力を持つ。また、歌姫の歌声から健康状態を読み取ることもできる
- 歌姫は神殿の外の歌声をどんなに遠くにいても知覚できる。ただし神殿内でうたった場合、神殿に満ちる神々の気にかき消されるため、近くにいなければ聞こえない(かつて神殿だった建物内でも同様の効果あり)
- 歌姫は外界で神のうたをうたうことを禁じられている。掟を破った歌姫は神殿に強制的に連れ戻される
- 神官が外出した際にうたうことは原則禁止だが、やむをえない事情があれば許可されることもある。しかしすべて歌史管理官によって記録される
- 歌姫は神殿に召し上げられてすぐにうたい方の指導を受ける。声量や効果に大小はないが、歌い始めは上手にうたえない(トリコがうたえない楽譜があったのはこのため)また、うたに対する防御策もこのとき学ぶ
- オリジナルの楽譜を書くことができる歌姫は現代にはほとんど存在しない
御使について
特徴：歌姫のうたの影響を受けない、頭に光輪と背中に白い羽が生えている(ごくまれ)
- 見た目はほとんど人間と変わらない。神官として神殿に仕える者が多い
- 羽根がついてる者は「羽根つき」と呼ばれる
- たいていの羽根は退化しており、長く空を飛べる者は多くない
- 羽根なしは自分が御使であることを知らしめるために白い羽根飾りを身につけることもある
魔人について
特徴：角が生えている、魔術を使える(個人差大)、黒い羽と尾が生えている(まれ)
- 魔力の大きさは生まれつきで決まり、一番力のある者が族長、また集落の長となる(魔力は遺伝に左右されない)
- その人間のまとっている光で人種がわかる。魔人の赤だけはその色の鮮やかさで魔力がどれほどかを判断できる。鮮やかであるほど魔力がある証拠(金：歌姫、赤：魔人、白：御使、無色：人間)
- 異人と呼ばれる身体的特徴が人間より悪魔に近い魔人が希少確率で生まれる
- 異人は集落から忌み子として追い出され、仲間から離れて孤独に生活する。魔力はかなり強いが寿命が一般の人間の半分ほどしかない。現代に確認される異人はイヴァを含めて二人だけ
- 戦乱の時代に魔力は重宝され、優れた魔力を持つ魔人は各国で活躍した。魔人も人間たちとともに暮らしていたはるか昔の時代である。しかし歌姫が聖歌とともに平和をうたいはじめ、戦は徐々になくなり、魔人もまた世間から追いやられていった。人里はなれた場所に集落をつくり、他の種族(とりわけ歌姫)と関わらない生活をはじめる(歌姫も同様。お互いに一線を画している)
- 魔術とは、一般的に浮遊術(物体を浮遊させ動かす)と幻術(物体を幻の形で覆い隠す)にわけられる。広義では薬を調合する、魔術を応用した道具をつくる、などの能力も含まれる。魔力がなくても知識が多いことで一目置かれる魔人もいる
- 魔術は「神の奇跡の模倣」と言われるように、あくまで真似事であり何かを無から創りだしたり変化させることはできない。幻術として見た目をごまかすことは出来るが、実際の質量や大きさは変わらない。魔術を使い続けると身体に負担がかかり命に関わることもある
- 禁術と呼ばれる並みの魔人にはできない魔術もある。媒体を介さない交信術はその一例で、どれほど魔力のある魔人であってもその寿命を縮めてしまう危険な魔術である。複数の魔人が協力して使うことで、その負担を軽減することも可能
- 魔人の集落は各地に点在しており、それぞれ生活スタイルは異なる
- 各地の長老は有事の際に魔術で互いに連絡を取り合う。魔人全体に関わる大きな事件には彼らの総意で行動が決定される
- 基本的に集落で閉塞的に暮らすが、他種族と結婚し、そちらの生活に移住する者もいる。他種族と交わりづらい種族なため、魔術を生かしてコレクターに力を貸したり、金銭目当てでよからぬ仕事を請け負う魔人も多く存在する
コレクターとは？
特徴：神殿からあぶれた歌姫やその楽譜、羽根つきなどを違法に所持する収集家。広義ではそれらを捕獲する売人や仲介人とその組織も含まれる
- 収集物はかなりの高値になるため、貴族や資産家など裕福な者が主な購入層となる
- リリアンの弟子と通じて歌姫を横流ししてもらっているコレクターも存在する
- 売られた者は観賞用として飾りつけられたり、もののように扱われることもある
- アリッサの遺産はコレクターの中では最高級の価値のある代物であり、世界中の大富豪が血眼になってその行方を捜している
- リリアンが獄中で書き残したリリアンの遺産がどこかにあるらしいという噂がコレクターの間でまことしやかにささやかれているが、現物を見た者は存在しない
地霊とは？
特徴：天地が生まれたとき自然物に宿っていた精霊が、一度自然と同化し消滅。その後現代の歌姫のうたによって呼び起こされ新たに形づくられたもの
- 主人の歌姫に付き従い、彼らの命が尽きるとともに天地に溶け込み消滅する
- 実態を持たず、姿かたちは歌姫のイメージによってつくられる。多くは大切な家族であったり恋人、友人などの姿を模す。その姿は伸縮自在だが、普段は分子レベルの小ささで歌姫を見守っている
- 神殿の中では姿を消すことができない
- 天地のつづく場所ならどこにでも移動できるが、座標が特定できないと難しく失敗することもある。また移動の際には、主である歌姫のうたを聞いてエネルギーを補給する必要がある(楽譜の種類は問わない)。特定の人物や建物は自然物ではないため座標にすることはできない
- 自らを犠牲にして主を守る盾になることもできるが、地霊は消滅する